- 鈴の漢字、右下にあるマの形、間違ってる?
- 鈴の漢字で正しいのはマか刀か?
- パソコンで鈴の漢字にマを使う方法は?
日本語でよく見る「鈴」という漢字。
特に、「鈴木さん」や「鈴の音」で親しまれています。
しかし、この漢字の正しい書き方について疑問があります。
特に、漢字の右下部分をマのように書くのが正しいのか、それとも間違いなのかという点です。
驚くことに、郵便局や市役所で間違いだと指摘されるケースもあるそうです。
名前などで使われることも多いので、正しい知識が必要ですね。
今回は、「鈴」の漢字におけるマの使用について解説します。
鈴の漢字の書き方、マと刀のどちらが適切なのか、マを使用した鈴のパソコンでの入力方法、漢字の一般的な誤解、文化庁の見解などを網羅しています。
ぜひ参考にしてください。
【鈴の漢字】マと刀、正しいのは?
鈴の漢字の正しい形は?
鈴の漢字で右下部分にマと刀、どちらが正しいかについてですが、実はどちらも正しいというのが結論です。
このようにマで書かれた鈴↓
参照元:漢字辞典オンライン
あるいは、このように刀で表現された鈴↓
参照元:漢字辞典オンライン
どちらも間違いではありません。
ちなみに、「鈴」の漢字には別の形も存在するので、それについてもお話しします。
参照元:漢字辞典オンライン
鈴の漢字にマと刀が存在する理由は?
「鈴」の文字に「マ」と「刀」のバリエーションが存在するのはなぜでしょうか。
調査によると、元々は「鈴」は「マを使用した形」で手書きされていたようです。
しかし、16世紀に入り、明朝体という新しい書体が登場しました。
明朝体は、中国の明代(1368~1644年)から清代(1644~1912年)にかけて、木版印刷の際に用いられた文字のスタイルです。
斜めのカットよりも直線的なカットの方が彫刻しやすいのは理解できますね。
金属活字への移行と共に印刷技術が進歩し、明朝体が一般的な書体として定着しました。
その結果、現在のパソコンでは、明朝体が標準的な書体として採用されています。
これが、パソコンで「すず」と入力すると、「鈴」という漢字が表示される理由です。
パソコンでマの鈴を表示する方法
パソコン上で「マ」を用いた鈴の漢字を表示させたい場合は、手軽な方法があります。
それは、使用する「フォント」を変えるだけです。
これで簡単に異なる形の鈴を表示させることができます。
しかし、フォントを変更すると、鈴の字が「マ」の形に変わるのです。
ここで紹介される4つのフォントは以下の通りです。
- HGS行書体
- HPG教科書体
- HG正楷書体
- UDデジタル教科書体
これ以外にも「マ」の形に変わるフォントは多数存在しますので、お気に入りのフォントを見つけてみるのも良いでしょう。
文化庁と「鈴」の漢字の形
「鈴」の右半分が「マ」ではないとされる事態
「鈴」や「玲」の右半分を「マ」と書くことが、郵便局や市役所で受け入れられない問題が生じています。
ネットを調べてみると以下の意見が見つかりました。
私の姓は鈴木で、「鈴」の右側の部分は、「令」の下半分を「マ」として書いています。これはパソコンなどで一般的に使われる活字体(明朝体など)の「令」と同じです。しかし、私の身分証明書では活字体の「令」が使われており、最近郵便局で書いた私の名前が本人確認の書類と異なるため、訂正を求められました。
子供の出生届を提出した際も、名前に使った「伶」という文字が問題となり、受理されませんでした。この文字は楷書で「明朝体でなければダメ」と言われました。楷書では右側はカタカナのマのように書きますが、明朝体は通常パソコンで表示される、下に縦線がある形です。
郵便局や出生届で「その漢字は認められない」と言われるのは、とても残念なことです。
文化庁の方針
文化庁が発表した「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」によると、手書きの「鈴」には様々な書き方があることを認めています。
「令」の角度や「マ」「ア」「刀」の形によって多様な書き方が存在しますが、文化庁はこれらの違いは字体の識別上問題にならないとしています。
つまり、「鈴」の右側が「マ」でも「ア」でも「刀」でも、どれも「鈴」として認められるということです。
金融機関や公的機関での扱い
また、手書きでの「令」や「鈴」の書き方についての質問がありましたので、こちらに簡潔にまとめています。
Q42 手書きの楷書での「令」と「鈴」の書き方について
ある銀行のカウンターで、「令」という漢字を小学校で習ったスタイル(「マ」を含む形)で書いた際、明朝体スタイルで書き直すよう求められました。これは必要な手順でしょうか?
A 文化庁より回答
基本的には、書き直す必要性は存在しません。
多くの人々が印刷された「令」に慣れ親しんでいるため、手書きで「マの令」を書くと、理解されにくいことがあるようです。
「令」の「マ」と「刀」部分の違いは、印刷字体の影響による慣習の違いであり、異なる文字ではないため、本来は書き直す必要はありません。
加えて、ご指摘の通り、小学校では「令」の字形でこの漢字を習います。
「マの令」が一般的に受け入れられないことがあるのは、情報技術の普及により、印刷字体の「令」を頻繁に目にすることが増えているためです。
しかし、印刷文字であるとしても、手書きで「令」と同じように書く必要はなく、この事実は社会的にも広く認識されるべきです。
「令」だけでなく、「鈴」、「冷」、「齢」、「伶」、「怜」、「玲」といった他の漢字においても、この原則は同じです。
文化庁によれば、「マ」でも「刀」でもどちらの漢字も同じであり、どちらを使っても問題ないとされています。
したがって、「マ」が間違いと思う必要はありません。
自信を持って好きな漢字を使いましょう!
【鈴の漢字】正しい理解で使い分けましょう
鈴の漢字のマと刀 | 鈴の右側の部分を「マ」と書くのも「刀」と書くのもどちらも正しい。異体字として認識し、文脈に合わせて使い分ける。 |
パソコンでの変換方法 | フォントを変更することで、鈴の漢字を「マ」と「刀」のどちらでも表示可能。好みや用途に合わせて選ぶことができる。 |
文化庁の見解 | 文化庁は鈴の漢字の「マ」と「刀」の形の違いは字体の判別上問題にならないとしている。どちらの形でも正しいと認められている。 |
公的機関での取り扱い | 郵便局や市役所では「マ」と「刀」のどちらの形も受け入れられるが、場合によっては説明が必要になることも。 |
このまとめから、「鈴」の漢字について、正しい理解を持ち、状況に応じて使い分けることが重要であることが分かります。
また、文化庁の見解に基づき、異体字としての違いは大きな問題ではないと認識し、自信を持って使用しましょう。