福島県は、東北地方の中でも広い面積を持ち「会津」「中通り」「浜通り」 の3つの地域に分かれています。この地域ごとの違いが、福島方言の面白さの一つでもあります。
- 福島方言ってどんな特徴があるの?
- 旅行や出張で役立つ方言を知りたい!
- 地元の人ともっとスムーズに会話できるようになりたい!
そんな方のために、この記事では 「福島方言のよく使う言葉」 を厳選して紹介します。
方言を知っておくと地元の人との距離がぐっと縮まり、旅行や出張での会話がより楽しくなること間違いなし。では早速、福島方言の特徴やよく使われる言葉を見ていきましょう。
よく使う福島方言一覧!日常会話で役立つ言葉を紹介
福島方言には、日常会話でよく使われる言葉がたくさんあります。旅行や出張、地元の人との交流の際に役立つ言葉を覚えておくと、より親しみやすい雰囲気で会話ができるでしょう。ここでは「挨拶・日常会話」「性格や感情を表す言葉」「食べ物に関する言葉」 に分けて、代表的な福島方言を紹介します。
挨拶・日常会話でよく使う言葉
福島県民が日常的に使う、挨拶や簡単な会話のフレーズをまとめました。特に「んだ(そうだよ)」は、福島だけでなく東北地方全体でよく聞く言葉です。
方言 | 標準語の意味 | 例文 |
---|---|---|
んだ | そうだよ | んだんだ、それでいいべ。 |
どんだんず | どうしたの? | どんだんず、元気ないごど。 |
んだべ | そうだよね? | これ、うまいんだべ? |
ありがとなし | ありがとう | 手伝ってくれて、ありがとなし。 |
まんず | まず、とりあえず | まんず、一杯やっぺ。 |
ポイント:福島の人と会話するとき「んだ」や「んだべ」を使うだけで、ぐっと親しみやすい雰囲気になります。
性格や感情を表す言葉
性格や感情を表現する福島方言を知っていると、感想を伝えたり気持ちを共有しやすくなります。
方言 | 標準語の意味 | 例文 |
---|---|---|
しゃっこい | 冷たい | この水しゃっこいなぁ。 |
さすけねぇ | 大丈夫だよ | 失敗してもさすけねぇ。 |
おっかねぇ | 怖い | あの犬、おっかねぇなぁ。 |
めんけぇ | かわいい | この子、めんけぇごど。 |
ねっぱる | しつこい、粘る | このシール、ねっぱって取れねぇ。 |
ポイント:「さすけねぇ(大丈夫だよ)」は、会津地方を中心に広く使われる言葉です。励ましたいときに使うと、優しいニュアンスが伝わります。
食べ物に関する言葉
福島の郷土料理や食べ物に関する言葉も、知っておくと食事の場での会話が弾みます。
方言 | 標準語の意味 | 例文 |
---|---|---|
こづゆ | 福島の郷土料理 | お正月にはこづゆ食べるんだべ。 |
いかにんじん | 福島の郷土料理 | いかにんじん、めっちゃうめぇ! |
うまいべ | 美味しいよね | このそば、うまいべ? |
かてもの | 副菜、おかず | 夕飯、かてもの何だべ? |
しみもち | 凍らせて乾燥させた餅 | しみもち焼いたらうめぇぞ! |
ポイント:福島の食文化に触れるとき「こづゆ」「いかにんじん」などの郷土料理の名前を覚えておくと、より楽しめます。
福島方言の特徴|地域ごとの違いを解説!
福島県はそれぞれの地域で方言の特徴やイントネーションが異なり、同じ福島県民でも「お互いの方言が少し違う」と感じることもあります。ここでは、福島方言のイントネーションの特徴 や地域ごとの方言の違いについて解説します。
イントネーションや発音の特徴
福島方言は東北地方の方言の特徴を持ちつつ、関東の影響を受けている地域もあります。以下のような発音の特徴があります。
語尾に「~だべ」「~だっぺ」がつく
- 「そうだよ」→「んだべ」
- 「行くよ」→「行ぐんだべ」
促音(小さい「っ」)が強調される
- 「寒い」→「さっむい」
- 「熱い」→「あっつい」
撥音(はつおん)が多く使われる
- 「何してるの?」→「なにしったんだ?」
- 「大丈夫だよ」→「さすけねぇ」
「す」の発音が「し」に近くなることがある
- 「すごい」→「しごい」
- 「すっかり」→「しっかり」
福島県内での地域ごとの違い
福島県は大きく3つの地域に分かれ、それぞれ方言の特徴が異なります。
会津地方の特徴
会津地方は新潟県や山形県に近いため、庄内弁や新潟弁の影響を受けた言葉が多くあります。
- 「~だべした」(~だよね)
例:「今日は寒いべした!」(今日は寒いよね!)
- 「しゃっこい」(冷たい)
例:「この水、しゃっこいな~」(この水、冷たいね)
- 「めんけぇ」(可愛い)
例:「この犬、めんけぇな~」(この犬、可愛いね)
- 「こでらんに」(最高に美味しい)
例:「このラーメン、こでらんにうめぇ!」(このラーメン、最高に美味しい!)
会津弁の特徴は、語尾に「~べした」をつけることが多いです。語感が柔らかく、親しみやすい雰囲気があります。
中通り地方の特徴
中通り地方は福島県の中央に位置し、東京や関東圏の影響を受けやすい地域です。そのため、福島弁の中でも比較的標準語に近いと言われています。
- 「~だない」(~だよね)
例:「今日、天気いいだない!」(今日、天気いいよね!)
- 「おっぺす」(押す)
例:「このドア、おっぺしてみ」(このドア、押してみて)
- 「いぎなり」(すごく、とても)
例:「いぎなり寒いな!」(すごく寒いね!)
- 「おだづなよ」(ふざけるな)
例:「おだづなよ、まじめにやれ!」(ふざけるな、真面目にやれ!)
中通り地方の方言は、東北弁と標準語の中間的な印象です。関東との交流が多いため、方言が強すぎず比較的理解しやすいのが特徴です。
浜通り地方の特徴
浜通り地方は福島県の東部に位置し、茨城県や宮城県の方言に影響を受けています。
- 「~だっぺ」(~だよね)
例:「明日、雨降るだっぺ?」(明日、雨降るよね?)
- 「あんべ」(体調・具合)
例:「今日、あんべわりぃな」(今日、体調が悪いな)
- 「かっぱぐ」(剥ぐ、剥がす)
例:「魚の皮、かっぱいで」(魚の皮を剥がして)
- 「うるがす」(水に浸す)
例:「米、うるがしといて」(米を水に浸しておいて)
浜通り地方は「~だっぺ」や「~っぺ」の語尾が特徴的です。茨城県の「茨城弁」にも似た言い回しが多いです。
福島方言の使い方と実際の会話例
福島方言を知っていても、実際にどのように使えばいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか?ここでは「コンビニでの会話」「道を尋ねるとき」「雑談で使える表現」など、日常で役立つ福島方言の会話例を紹介します。福島に行く予定がある人は、ぜひ覚えて実際に使ってみましょう。
コンビニでの会話
旅行先での買い物、ちょっとした会話の場面で使える福島方言を紹介します。
【客】おはようございます!
【店員】おはようござんす~。今日はさっみがったねぇ。
【客】んだんだ。朝からしゃっこい風ふいでだっけ。
【店員】ほんとにね~。お会計、しめて600円だない。
【客】んじゃ、これで払うがら、おつり頼むべ。
【店員】ありがとなし!袋いらねぇが?
【客】いらねぇなし、そのままでいがんしょ。
【店員】んだない、じゃあ気をつけていぎなっせ!
【ポイント】
- しゃっこい(冷たい)
- しめて~円だない(合計~円です)
- ありがとなし(ありがとう)
- いらねぇなし(いらないよ)
- いぎなっせ(行ってらっしゃい)
コンビニでの会話でも、福島の方言を少し取り入れるだけで地元の人との距離が縮まります。
道を尋ねるとき
道に迷ったときや、目的地への行き方を聞くときに役立つ福島方言を紹介します。
【観光客】すみません、この近くに駅あっぺか?
【地元の人】んだんだ、まっすぐ行ってから、右さ曲がっつぉ。
【観光客】んだべした、どのくらいで着くんだべ?
【地元の人】歩いで10分ぐれぇだない。そごの交差点の角にコンビニあっぺよ。
【観光客】ありがとなし!助かったなし。
【地元の人】さすけねぇよ、気をつけていぎなっせ!
【ポイント】
- あっぺか?(ありますか?)
- んだんだ(そうだよ)
- ~さ曲がっつぉ(~に曲がってください)
- ~ぐれぇだない(~くらいだよ)
- さすけねぇよ(気にしないで、大丈夫だよ)
観光の際に道を聞くときは「駅あっぺか?」のように、福島方言を少し混ぜてみると地元の人も親しみを感じてくれます。
雑談で使える表現
ちょっとした会話や、友達とのおしゃべりで使える福島方言を紹介します。
【友人A】おめ、昨日のドラマ見だが?
【友人B】んだ、見だっけなし!いぎなりおもしれがったない?
【友人A】んだべ!あの俳優、めんけぇごど。
【友人B】めんけぇなし、演技もうめぇごど!
【友人A】ほんとになぁ~。来週も絶対見ねばなんねぇべ。
【友人B】んだんだ、楽しみだない!
【ポイント】
- おめ(あなた)
- んだ(そうだよ)
- 見だっけなし!(見たよ!)
- いぎなりおもしれがったない?(めちゃくちゃ面白かったよね?)
- めんけぇごど(かわいいね)
- 演技もうめぇごど!(演技もうまいね!)
- ねばなんねぇべ(~しなければならないよね)
雑談の中で「んだんだ」や「めんけぇ」などを使うと、自然な福島弁になります。
福島方言のよく使う言葉一覧|まとめ
福島方言には、日常会話で使える言葉がたくさんあります。「んだ」「ありがとなし」「さすけねぇよ」などは、簡単に使える表現なので、福島を訪れる際にはぜひ活用してみてください。「会津」「中通り」「浜通り」の地域によっても方言の違いがあるため、聞こえてくる言葉が少しずつ変わるのも面白いポイントです。
方言を使うことで、地元の人との距離が縮まり会話がより楽しくなります。きっと「おっ、方言使うんだな!」と喜ばれるはずです。「さすけねぇ!(大丈夫!)」の精神で、ぜひ福島方言を楽しんでみてください。