「逢いたい」と「会いたいの」違い｜合いたい・遭いたいとの区分も解説！

文学や楽曲の歌詞などで時折目にする「逢いたい」という文字表現。

通常、「逢いたい」と書くよりは、「会いたい」と書くことが一般的です。

では、「逢いたい」という表現が持つ意味と、それがどのような状況で使われるのかを見ていきましょう。

この記事では、「逢いたい」の意味を詳しく解説しています。

さらに、「会いたい」とだけでなく、「合いたい」「遭いたい」の違いについても、その使用法や例を網羅的に解説しています。

ぜひ参考にしてください。

逢いたいの意味と会いたいとの差異は？

「逢う」という漢字には様々なバリエーションがあります。

以下の漢字について解説します。

　

　

個人的な感想も交えていますので、万全の正確性を保証することはできませんが、ご了承ください。

会いたいとは？

まず、「会う」という漢字を用いた「会いたい」について説明します。

「会う」とは、人と人が直接顔を合わせることを指します。

従って、「会いたい」とは「直接顔を合わせて話したい」という意味になります。

今日ではスマートフォンが普及しているため、離れた場所にいても電話で会話することが可能です。

　

しかし、これは直接顔を合わせているわけではないので、「会った」とは言えません。

　

「会う」とは、「同じ場所で直接向かい合って対話すること」を意味します。

したがって、「会いたい」とは、「誰かと直接同じ場所で向かい合って話したい」ということを意味します。

通常、「会いたい」は人に対して用いられることが多く、物に対して使われることは稀です。

しかし、「出会う」という表現になると、次のような状況で使われることがあります。

　

　

このように、「出会う」という言葉は、「思いがけない出来事や望ましくない出来事に遭遇する」「合流する」といった意味で使用されます。

逢いたいの解釈

「逢う」は「会う」と似た意味を持つ文字ですが、使用される文脈によっては異なるニュアンスを帯びることがあります。

「逢いたい」は、「特定の人と直接同じ場所で会って対面したい」という基本的な意味を持ちます。

しかし、文学作品や漫画などの文脈では、「逢いたい」は「会いたい」よりも深い感情が込められることが一般的です。

　

特に愛する人や、なかなか会えない遠距離の恋人に対して使われることが多く、より特別な対面の瞬間を表す文字として捉えられます。

　

また、「逢いたい」という表現は、常にポジティブな状況に限られるわけではありません。

　

敵対する相手に対しても、「逢う」という漢字は使われることがあります。

　

「逢う」は、「特別な感情を持つ相手」という共通点を持ちます。

「会いたい」と「逢いたい」には大きな違いはないため、スタイリッシュな表現として「逢いたい」を選ぶこともあり得ます。

合うとは？

「合う」は、「一致する」「密接に結びつく」「調和する」といった意味を持ちます。

「人と会いたい」という文脈では使用されないため、「合いたい」という表現は適切ではありません。

以下の例が一般的な使用法です。

　

　

これらの例から、「合う」は人との直接的な会合よりも、さまざまな状況や事柄に対して使われます。

遭うとは？

「遭う」は、「困難や不運、災害に偶然遭遇する」という意味で使われます。

　

主体的に望んで会うのではなく、「突然に遭遇する」や「予期せぬものに出くわす」というニュアンスがあります。

　

従って、「遭いたい」という使い方はほとんどされません。

以下のような状況で使われます。

　

　

このように、「遭う」は、避けられない負の事象に使われることが多いです。

文化庁の見解

文化庁は、2014年2月21日に開催された「文化審議会国語分科会」で、「異字同訓の漢字の使い分け例」を発表しています。

　

【会う】主に人と人が顔を合わせる。
客と会う時刻。人に会いに行く。駅でばったり友人と会った*。投票に立ち会う。
二人が出会った場所。

　

【合う】一致する。調和する。互いにする。 意見が合う。答えが合う。計算が合う。目が合う。好みに合う。部屋に合った家具。 割に合わない仕事。会議で話し合う。幸運に巡り合う。

　
【遭う】思わぬことや好ましくない出来事に出くわす。
思い掛けない反対に遭う。災難に遭う。にわか雨に遭う。

　

引用元：異字同訓の漢字の使い分け例（報告）

　

「会いたい」と「逢いたい」の使用例

ここでは「会いたい」と「逢いたい」の具体的な使用例についてご紹介します。

会いたいの使い方

「会いたい」は、「特定の人と直接同じ場所で会って話したい」という意味で使います。

使用する際の例文は次のとおりです。

　

　

家族や友人、そして知り合いなど、あらゆる種類の人間関係で「会いたい」という表現が使えます。

逢いたいの使い方

「逢いたい」は元々「会いたい」と同じ意味ですが、恋愛関係など親密な人間関係での使用が一般的です。

以下に使用例を示します。

　

　

「逢いたい」はこのように、強い感情が込められており、特に親密な関係においてよく使われます。

「会いたい」と「逢いたい」の使い分けをマスターしよう

「会いたい」と「逢いたい」は、表現のニュアンスに違いがあります。

「会いたい」は広く使われ、家族や友人、知り合いに向けて使用されます。

一方で、「逢いたい」は恋愛関係など特別な関係で用いられることが多く、強い感情が込められることが特徴です。

この違いを十分理解し、適切な場面で使い分けることが大切です。