熨斗(のし)に書く「志」の意味と記載方法!名前の書き方は?

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熨斗紙の表書きには、様々な表現が存在します。

その中で、「寸志」や単に「志」という表現が使われることがあります。

ここでは、熨斗に「志」と記載する際の意味と方法、また名前の書き方の基本について解説します。

熨斗の適切な使い方、内のしと外のしの違いについても触れます。

目次

「志」とは?熨斗の表書きについて

「志」とは?熨斗の表書きについて

「志」は法事や香典返しなどでよく用いられ、贈り物の心意や感謝を表す言葉として使われます。

これには「感謝の気持ち」の意味合いが含まれており、「寸志」と表現すると「少しの心づけ」という意味になります。

また、「満中陰志」や「忌明志」など、熨斗袋にも使われることがあります。

熨斗紙に「志」を記載する際の方法

熨斗紙に「志」を記載する際の方法

熨斗紙に「志」を記載する場合、特に弔事で使用する不祝儀袋や熨斗なしの掛け紙に多く見られます。

通常、水引の上中央に「志」を、下中央に贈り主の名前を記載します。

毛筆や筆ペンを用いて、文字の濃淡にも配慮しながら丁寧に書くことが重要です。

慶事では文字を濃く、弔事では薄くするなど、場面に応じた濃淡の調整が必要です。

名前の記載方法について

名前の記載には、贈り主の名前を下中央に配置するという基本原則があります。

複数名で記載する場合、目上の人から右側に名前を記入するのが一般的です。

ただし、贈る相手の名前を左上に記載するタイプの熨斗袋の場合は、左側を目上として名前を配置します。

会社名と個人名を同時に記載する場合は、氏名を中心に配置し、会社名は右側に控えめに記載します。

また、職場内での連名の場合は、役職順に右から名前を並べます。

熨斗紙への名前の記載には細かなルールが多いため、書く前にこれらのルールを確認することをお勧めします。

「志」の表書きを使う熨斗の種類について

「志」の表書きを使う熨斗の種類について

「志」という表書きは、一般的には仏事に使われることが多いです。

これは「志」が主に弔事や法要で用いられる言葉として、広く認識されているためです。

そのため、この表書きが付いた熨斗袋は通常、黒白の水引を持つものが選ばれます

一方で黄白や双銀の水引も弔事用に使用されることがありますが、黄白は葬儀には不適切、双銀は高額な贈り物に使われる傾向があるため、一般的には黒白を選択するのが無難です。

水引の形は「結び切り」または「あわび結び」を選び、悪いことが繰り返されないような意味合いを持たせるのが一般的です。

「志」と「寸志」の使い分け

「志」と「寸志」の使い分け

「志」という表書きは、上下関係に関係なく、感謝や敬意を表す際に使用されます。

一方、「寸志」は「わずかながらの気持ち」という謙虚な意味を持ち、主に目上の人が目下の人に対して好意を示す際に使われる表書きです。

そのため、目上の人に対して「寸志」という表現を使用するのは不適切とされています。

これらの微妙な違いを理解し、「寸志」を安易に使用するのは避けるべきです。

また、「志」よりも「御挨拶」や「粗品」の表書きの方が使いやすいという意見もあります。

熨斗の意味と起源

熨斗の意味と起源

「のし」という言葉は、現代では熨斗袋や熨斗紙を指しますが、もともとは「慶事での進物や贈答品に添える飾り」という意味でした。

現在の熨斗紙に見られる右上や左上の装飾が「のし」に該当します。

特に「のしあわび」と呼ばれる細長い黄色い装飾が重要です。

熨斗紙や熨斗袋は、それぞれ水引が印刷された紙や袋を指します。

  • 元々「熨斗」は、アワビを薄く削り乾燥させたもので、これは長寿を象徴する縁起物として贈り物に添えられていた。
  • 鰹節や鮮魚などの生ものには熨斗を使用しなかったが、それ以外の贈り物には使用されていた。
  • アワビを準備することが困難だったため、徐々に黄色い紙を使用するようになり、これが現在の熨斗の形に発展した。

熨斗紙のマナーについて

熨斗紙のマナーについて

熨斗紙のマナーで重要なのは、水引の結び方や色が慶事用か弔事用かを示すことです。

主に、蝶結びと結び切りの2種類が存在します。

蝶結びは再度結ぶことが可能で、祝事や出産祝い、内祝いなどの喜ばしい場面で使用されます。

一方、結び切りは再びほどくことが難しく、悲しい事が再び起こらないように願う意味で弔事や快気祝い、結婚祝いに使われます。

地域によっては「あわじ結び」という種類もあり、使用方法は結び切りと似ています。

水引の色には、様々な種類があります。

  • 慶事:赤白、金銀、金赤
  • 弔事:双銀、黄白、黒白、黒銀、双白、青白

慶事では文字を濃く記載し、弔事では薄く記載するのが一般的なマナーです。

熨斗紙が必要な場面

熨斗紙が必要な場面

熨斗紙が必要な場面は、主に慶事や弔事に関わるものです。

冠婚葬祭、お見舞い、お祝いなど、様々なお祝い事に使用されます。

熨斗紙はそのような場面での贈り物に欠かせない要素となっています。

内のしと外のしの区別

熨斗紙をかける方法には、「内のし」と「外のし」の2種類があります。

内のし

内のしとは、熨斗紙を商品にかけた後、更に包装紙で包む方法です。

この方法では包装紙で熨斗紙が隠れるため、表書きは見えません。

内のしは、送る途中で熨斗紙が傷つくのを防ぐ利点があり、主に自分の祝い事のお裾分けに使用されます。

外のし

外のしは、熨斗紙を商品の外側にかける方法で、贈り先に熨斗の目的が明確に伝わります。

直接手渡しで贈る際には、贈り先が熨斗の意図を理解しやすい外のしを使用するのが一般的です。

熨斗紙の正しい使い方を身につけましょう

熨斗紙のマナー蝶結びは慶事に、結び切りは弔事に使用。
水引の色も慶事と弔事で異なる。
熨斗が必要な場面慶事や弔事全般に必要。
冠婚葬祭やお見舞い、お祝いなどに使用。
内のしと外のし内のしは熨斗紙を包装紙で隠し、外のしは表書きが見えるようにする。
「志」と「寸志」の違い「志」は敬意を表し、目上下に関わらず使用。
寸志は目上から目下への好意の表現。

熨斗紙は、日本の伝統的なマナーを反映した贈り物の重要な要素です。

その使い方を理解し、適切な場面で正しく使用することで、心を込めた贈り物がさらに価値を増します。

慶事や弔事、内のしと外のしの違い、そして「志」と「寸志」の違いを押さえておきましょう。

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