この特殊な漢字「㐂」、三つの七が重なっていますが、読むことができますか?
見覚えはあるものの、読み方がすぐには思い出せない…こんな経験、よくあるのではないでしょうか?
実は、この漢字は非常に馴染み深い読み方を持っています。
この読み方とその使用法を知ることで、漢字の魅力をさらに深く理解できるでしょう。
三つの七を持つ漢字の読み方は?答えはこちら!
三つの七が集まった漢字「㐂」はどのように読むのでしょうか?
答えはこちらです。
- 【音読み】キ、
- 【訓読み】よろこ(ぶ)。
この漢字は「喜」と全く同じ意味で読まれるんですよ。
では、なぜ形が異なるのか?実は「㐂」は「喜」の草書体を楷書体で書いたものなのです。
草書体は漢字の変形で、曲線を使って速く書けるように作られた書体で、現在のひらがなに影響を与えています。
一方、楷書体は漢字の基本的な書体で、点や線を正確に描くことに重点を置いています。
つまり、「㐂」は、草書体の「喜」を簡略化し、それをさらに楷書体で整えた結果、現在の形になったのです。
筆記体の漢字と楷書体は見た目も大きく異なり、元の形が何であったかを知らないと、それらが関連しているとは想像もつかないかもしれません。
「㐂」は漢字検定の範囲外で、人名にも使用されないため、日常で目にすることは少ないかもしれませんが、その成り立ちには興味深い秘密が隠されています。
漢字の歴史は本当に魅力的ですね。
三つの七を含む漢字の変換方法について
漢字「㐂」は七が三つ組み合わさった形をしています。
一見、日常生活での使用頻度が低いため、変換方法を知らなくても困らないかもしれませんが、この漢字に関する疑問は実際に存在します。
宛名や店名をパソコンで入力する際に、どう変換すれば良いのかという悩みがあります。
1951年以前に生まれた方の中には、名前に「㐂」を使用している方もいるため、正確に表記することは重要です。
解決策として、「㐂」は「き」と入力して変換することができます。
自分のパソコンでは表示されても、他人に送信すると表示されないこともあるので注意が必要です。
私のパソコンでは「き」と入力すると変換できましたが、環境依存文字であることが表示されました。
変換できない場合は、手書き入力や外字エディタを使用する方法もありますが、これも受け取り側の表示に問題が生じることがあります。
はがきなどでは手書きが無難です。
店名や名前の漢字を誤ってしまうと失礼にあたるので注意が必要です。
幸運を呼ぶ?この特別な漢字の意外な用途
三つの七が重なる漢字「㐂」は、幸運やお祝いの象徴のような印象を持ちます。
この漢字は、そのポジティブなイメージから、お酒やお店の名前に利用されることがあります。
「㐂」が付く商品やお店を調べてみました。
- 新潟県魚沼で生産されるどぶろく「㐂八」
- 秋田県の地酒「三㐂」
- 宮崎県の焼酎「㐂六」
- 京都の天ぷら店「天㐂」
- 京都の帆布カバン店「㐂一澤」
- 東京都人形町の「㐂寿司」
また、この漢字は77歳の喜寿のお祝いと関連しています。
七が三つで「七十七」と見えることから、77歳の節目を「喜寿」と呼ぶようになったのです。
人生の大切な節目を祝うことがこの一文字に込められていることは、日本文化と漢字との深いつながりを示しています。
元々「喜」という漢字は、下部の口が祈りを、上部が楽器を意味し、神を祭り喜ばせる様子を表しています。
77歳の長寿を祝う名前として、この漢字が選ばれたのは、まさに喜びを分かち合うお祝いにふさわしい選択です。
複数の同じ要素で構成される漢字の多様性
「㐂」のような漢字、どこかで見覚えのある構造ではないでしょうか?
「森」や「品」、「轟」のように、一つの漢字が3回繰り返されて構成されているものがあります。
さらに、2回繰り返されるパターンもあり、「林」や「弱」がその例です。
この種の漢字は理義字と呼ばれ、3つの同じ要素が合わさったものは品字様とされています。
品字様の漢字のいくつかを紹介します。
- 三:【音読み】サン【訓読み】み、み(つ)、みっ(つ)
- 晶:【音読み】ショウ
- 惢:【音読み】サ、スイ、ズイ、ニ【訓読み】うたが(う)
- 晿:【音読み】ショウ
- 姦:【音読み】カン【訓読み】みだら、よこしま、かしま(しい)
「三」は、確かに「一」が三つ重なった形ですね。
また、「姦」に関しては、なぜ女性の象徴が三つでそのようなネガティブな意味を持つのか疑問に思うこともあります。
また、「惢」や「晿」など、見慣れない漢字も存在します。
漢字のこのような組み合わせに着目すると、日頃から見慣れた漢字でも「なぜこの漢字がこの意味なのだろう?」という新たな疑問が浮かんできます。
子供たちが漢字を学ぶ過程で、このような漢字の構造や成り立ちに注目することは、学習をより印象深く、楽しくする助けになるかもしれません。
ラッキーセブンの由来:なぜ七は縁起の良い数字なのか
「ラッキーセブン」という言葉を聞くと、七という数字が幸運を象徴していることを思い起こします。
ですが、この幸運なイメージにはどのような起源があるのでしょうか。
深く掘り下げてみると、この疑問の答えの一つとして、聖書の「創世記」が挙げられます。
「創世記」によると、神は以下のような順序で世界を創造しました。
- 1日目:神は宇宙と地球を創造し、光を作り出して昼夜を定めた。
- 2日目:神は空を創造した。
- 3日目:大地と海を作り、植物を育てた。
- 4日目:太陽、月、星を創造した。
- 5日目:魚と鳥を生み出した。
- 6日目:獣と家畜、そして神に似た人間を創造した。
- 7日目:神は創造作業を終え、休息された。
この古典的な物語により、西洋文化では「七」という数字が聖なるものと見なされるようになりました。
これが世界各地に広まり、今では多くの国や地域で「七」が特別な意味を持つようになりました。
1885年9月30日、シカゴ・ホワイトストッキングスの試合で、7回の攻撃で起こった奇跡的なホームランにより優勝が決まり、その際の投手の言葉が「ラッキーセブン」の語源とされています。
このような背景を知ると、七という数字が持つ特別な意味合いがより一層理解できます。
この数値が三度繰り返される漢字「㐂」が、店名や神々への捧げ物として使用されるお酒の名前に選ばれるのもうなずけます。
漢字「㐂」とラッキーセブンの魅力に迫ろう!
漢字「㐂」の起源 | 草書体の「喜」を楷書体で表したもの。複数の同じ漢字が合わさった理義字。 |
読み方 | 音読み「キ」、訓読み「よろこ(ぶ)」。 |
ラッキーセブン | 「七」の縁起の良さは創世記の物語に由来。野球用語「lucky seventh」から来ている。 |
漢字の特徴 | 同じ漢字が複数合わさる理義字は多く、「品字様」は3つが合わさった形。 |
漢字「㐂」は、「喜」の草書体を楷書体で表現したもので、複数の同じ漢字が合わさった理義字の一例です。
音読みは「キ」、訓読みは「よろこ(ぶ)」。
また、「七」の縁起の良さは創世記に由来し、「ラッキーセブン」という表現は野球用語から来ています。
漢字の中には、同じ要素が複数回合わさって形成された理義字が多く存在し、「品字様」は3つが合わさった形を指します。
このような背景を知ることで、漢字「㐂」や数字「七」の魅力が深まります。